aamall

May 03, 2007

レアルタ・ヌア感想/プレイ日記13−最終決戦前夜編−

 けれど何もかも無かった事になってしまったら、一体、奪われた全ての想いは、何処に行ってしまうのだろう(衛宮士郎)

 セイバーとのデート後、セイバーの内面に踏み入り過ぎて不和に。迎えに行って和解しかけた所で謎のサーヴァント改めギルガメッシュ来襲。エクスカリバーが破られた上で瀕死の状態で何とか一次撃退。その夜セイバーと体を重ね、明けて言峰教会にて全ての謎明かし。士郎の信念の告白に、その告白へのセイバーの同調。二人で聖杯を破壊することを決意するまで。

 ◇

 これは震えた

 デート後のセイバーとの会話の中で、一瞬だけセイバーが「士郎だったら理解ってくれると想ったのに……」と本音をもらす場面があるんですが、これはこれまで書いてきたように、「悲劇的な過去の体験に基づいて、自己よりも他者を優先している点」が士郎とセイバーは重なってる点を踏まえてセイバーは言ってるわけですよ。お互いの過去を覗き見していたから、大火事経験という悲劇的な過去をトラウマに持ってる士郎だけは、他者のために過去を改変したいという自分の気持ちを分かってくれるのではとセイバーは想っていた。

 そんなセイバーの危ういエンパシーを、言峰教会での士郎の信念の宣言で一撃で転覆させるのが熱かった。

 全てをコントロールしていたのは、言峰綺礼。ランサーのマスターを殺してマスター権を奪い取り、あまつさえ前回の聖杯戦争から持ち越した自分のサーヴァント、ギルガメッシュを生かすために他者から命を吸い上げて存在を保持していた。そして、士郎の原体験の大火事を引き起こし、大火事の犠牲者の子供達を殺したまま生かして聖杯のために魔力を吸い取り続けていた。

 そこまで明かされた所で、言峰綺礼による衛宮士郎の心理的解体がはじまります。その解体の最中、今まで自意識から抹消してきた、あの火事の日、耳に届いていた沢山の救いを求める声を黙殺して捨象して自分自身が生にすがりついたという真実を士郎は思い出してしまいます。全員救済/他者優先という理想を掲げて生きてきた自分自身が、一つエゴで犠牲となる存在を選別/捨象して生き延びていたという真実。

 そこまで思い出してしまった所で、言峰綺礼から聖杯で「願い」を叶えて、全て無かったことにしてしまえばいいじゃないか、お前は「願い」など無いと言っていたが、それこそお前の本当の「願い」だったのでは無いか……との悪魔の囁きが届けられます。

 その囁きに対しての瀕死の士郎の返答が、

 「――いらない。そんな事は、望めない」(衛宮士郎)

 答えはNO。どんなに辛くても、自分が切り捨ててきた全ての人に報いるためにも、起こったことを無かったことにはできない。

 ここが、セイバーと士郎の違う所。確かに、悲劇的な過去を持っていたし、それに起因して自己より他者を優先しがちだったけれど、セイバーと違って士郎はそんな悲劇的な過去を無かったことにしようとは一度も望んでいなかった。ライダー戦時に生徒に犠牲が出た時でさえ、

  起きてしまったことを『無かった事』になどできない。それは不可能な事だし、それ以前にやってはいけない事ではないのか。

 と士郎は言っていた。犠牲の上で生かされた命を全うするために、自分が生きるために切り捨てられた命に報いるために、衛宮切嗣を追いかけた自分の生に誇りを持っていた。

 ――その道が。今までの自分が、間違ってなかったって信じてる(衛宮士郎)

 ここで視点がセイバーに切り替わり、この士郎の信念の告白にセイバーが打ちのめされます。英霊になってまで過去を無かったものにしたかったセイバーだったけれど、エンパシーから士郎もきっと悲劇的な過去を無かったことにしたいに違いないと想っていたセイバーだったけれど、士郎の選択は違っていた。そして、あの日王となる剣を手に取った自分の選択も、自分の生を全うするために出した犠牲も、そして辿り着いた悲劇的な結末にも、自分は士郎と同じく胸を張れるはずだったのに、何故、過去を改竄したいとまでに、犠牲となった者達を冒涜するような思想に行き着いたのか。

 ここで、士郎に見切りを付けた言峰綺礼から、セイバーに士郎を殺せば聖杯をやろうというこれまた悪魔の誘惑。それに対するセイバーの解答が、

 「シロウは殺せない」(セイバー)

 セイバーも長きに渡る呪縛を断ち切って、過去の改竄をやめて、結果はどうあれ、その時代に全うした自分の生を誇りに想うことに。

 ここの流れが本当に熱かった。

 エゴVS全員救済

 という対立で進んできたお話でしたが、エゴを通して誰かを犠牲にして何かを選択したのなら、犠牲にした者に報いるためにも、何も無かったことになんかしてはいけない。その一点でだけがセイバーと違っていた士郎の信念。それが、セイバーに伝播して物語冒頭の目的であった聖杯の価値を転覆させるほどに彼女を「変える」過程が熱かった!

◇VSギルガメッシュ

 全ての宝具を使えるのは、宝具の起源となる原型宝具を持ってるくらい前時代の英雄ということで、第8のサーヴァントの正体はギルガメッシュ。ギルガメッシュ、不老不死の目的に囚われて迷走して、最後にわりとその辺りの気持ちが昇華されて成仏した人だと想うんですが、その辺りはこの作品の作中にもかかってくるのかのう。

 絶望的な戦力差でのバトルは、セイバーの必殺剣エクスカリバーが破られるという王道展開に。何とか士郎が瀕死の最中に謎の剣(鞘付きエクスカリバー?)を投影して一次撤退させますが、ギルガメッシュさんはセイバーさんにご執心のご様子。この辺り、思想云々の対立よりも、男として惚れた女は譲れない!的な戦いになってるのが熱いです。

◇セイバーさんとの一夜

 PC版は明らかに18禁シーンだっただろという、ギルガメッシュ戦後のセイバーさんとの一夜。この時点ではセイバーさんはまだ聖杯による過去の改竄の願いを捨てておらず、根本的な所では重なれないんだけど、戦いのための魔力供給のためと偽って、この一夜だけはただの少女として……というのがわりと綺麗だった。

◇ランサーさん

 言峰綺礼から諜報活動に専念させられていたランサーさんは、真剣勝負を好むその漢気より、欲求不満気味。つかの間の真剣勝負でセイバーさんに何かを感じ取って、VSギルガメッシュという絶望的な状況で自らがギルガメッシュに挑み、セイバーさんを逃がすという、何、このジャンプバトル漫画の実はイイ奴だった敵キャラパターン?な行動に出てくれます。ランサーカッコいいな。思想/過去の束縛云々で戦いに参加してる連中が多い中、純粋なバトル野郎。おま、一人だけジャンプにでもイケと。

◇聖杯の破壊

 士郎の信念にセイバーさんが同調するタイミングで、聖杯の正体は、どんな願いも叶える反面、その願いに応じた犠牲を要求するという等価原理に基づく存在だったことが明らかに。つまり、いずれにしろ犠牲を出さないために過去の改竄を願っていたセイバーの願いは、その願いが成就した瞬間に新たな犠牲を生じさせる矛盾の中にあるために、叶わない願いだった。ここで、エゴを通した結果に犠牲をしいて生き延びている士郎とセイバーの二人、聖杯を破壊することを決意。言峰綺礼に囚われた聖杯の器であるイリヤを奪還すべく、凛さまから最後のアドバイスを受け取って、いざ、最終戦前夜。くー、今夜中にセイバールートのエンディングまでいくな、これは。今夜は、十分に時間を確保してプレイに臨もう。

「Fate/stay night」 RONDO ROBE スクールカレンダー2007
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Fate/stay night セイバー (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
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