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September 14, 2007

レアルタ・ヌア感想/プレイ日記33−理想の棄却編−

 「約束する。俺は、桜だけの正義の味方になる」(衛宮士郎)

 凛さま邸での修行を中断して衛宮邸に戻ると慎二に桜がさらわれているという展開に。ここから怒濤の展開でこれまで意味深に描かれてきた桜伏線が全面開示。一気にこれまでの理想を取るか?桜の救済というエゴを取るか?という究極の選択まで話が進みます。

 ◇

 凛さまとの修行を中断して、衛宮邸に戻ってみると桜が慎二にさらわれており、桜を人質にとった慎二から呼び出しの電話が。とりあえず桜救済ミッションという形になるんですが、この時点で士郎が単独特攻せずに、

 「俺は遠坂を頼る。その代わりに、必ず桜を、無傷で取り返すのだ」(衛宮士郎)

 と、他人の助力を受け入れてるのがイイ感じ。ある程度、これまでのルートでの成長を継承、というか、気づきに早めに気付くような感じになってます。セイバールートでははじめて自己の単独犠牲ではなく、皆を守るために他人の力が必要なら助力を頼む……という令呪を使ってのセイバー初召還シーン(学校でのVSライダー戦の時)が一つのクライマックスとして描かれたんですが、桜ルートでは、士郎、わりと序盤から他人の助力を受け入れています。

 そして、VS慎治&ライダーとなるんですが、桜を人質に取られて動けない士郎に対して、なんだかライダーが手を抜いてくれている。この前柳洞寺でもライダーは助けてくれたし、なんでライダーは士郎の味方なの?という所で、ライダーの真のマスターは桜、それを、令呪を使用して制御権を慎二に譲っていたというのが真相だったという事実が明らかになります。そして、約束を破って士郎を傷つけた慎二から離脱して、桜が真のマスターとしてライダーを使役。ライダーがめっちゃパワーアップします。そうか、セイバールートでセイバーさんがエクスカリバーでぶった斬ったライダーは仮のマスターの下で戦ってたってことで、本調子のライダーじゃなかったのか。

 所が、慎二が逃走間際に桜に臓硯絡みの何かを施し、桜が暴走。学園内部に張られた結界が桜ヴァージョンのフルパワーで発動してしまいます。止めるには桜を倒さないと……というシチェーションで、普通に真のマスターである桜を守ろうとするライダーと、凛さまのアーチャーが激突。ここでフルパワーのライダーさんが鬼っぷりを発揮して、石化の魔眼を発動。やっぱり、眼を隠してたのは伏線だった!ライダーさんはメドゥーサの英霊だったことが明らかになります。ギリシャ神話系多いな!

 混戦の中、桜が放った魔術から凛さまを守ろうとした所で、士郎がその桜の魔術をくらって意識がフェードアウト、気が付いたら、言峰教会に。

 ここで正式に姉妹伏線が開示され、桜が凛さまの妹であること。間桐の血を絶やさないために幼い頃に間桐邸に桜は貰われていったこと。これまで士郎が気付かなかっただけで桜には臓硯から魔術師としての間桐の技術が施されており、間桐の真のマスターは桜であることが明らかにされます。

 さらに、言峰綺麗からの相変わらず長いお話。要約すると、桜は臓硯に体に植え付けられた刻印虫に制御されているので、自分の意志とは関係なく、大多数の他者を搾取してしまう。つまりは、自分を犠牲にしてでも大多数を助ける……というこれまでの士郎の理想、正義の味方のあり方からすると、桜こそが倒さねばならない敵。

 「その時、お前はどちらを守るのだ?」(言峰綺麗)

 この構成は震えた。セイバールート、凛ルートで、アレだけ、それでも自己犠牲の全員救済という理想は尊いと力業でまとめられてきたテーゼに関して、それら全てを転覆させるシチェーション。全員救済の理想VS部分救済の現実、他者>自己VS自己>他者全てにおいて、それでも傷つきながらも前者の理想を追うのは尊いというのがこれまでのルートだったのに、ここで、その理想を追うには桜を殺さねばならないというシチェーション。鬼の転覆構成。

 「誰かを救うというのはね、他の誰かを救わないってことなんだよ」(衛宮切嗣)

→皆を救えば桜を救えない。桜を救えば皆を救えない。

 「喜べ少年。君の願いはようやく叶う」(言峰綺礼)

→正義の味方になるには悪が必要だという綺麗の論理。士郎の理想を貫いて正義の味方になるために必要だった悪こそが桜だったという風に回収。

○セイバーさんに対して、君を裏切らないと士郎が誓いを立てるシーン

→セイバールートで描かれたように、士郎とセイバーは自己犠牲の全員救済という理想を追った理想の共有者。だけど、ここでもし桜をとって全員を捨てる選択を下せば、士郎はセイバーさんを裏切ることになる。

 「良かった。先輩になら、いいです」(間桐桜)

→桜が悪いヤツだったらどうするか?という夜の語らいのシーン。実は桜こそ、士郎の理想の前では討たねばならない敵(悪い人)だったという風に回収。

 という風に、これまでの物語の隅々の台詞、テーゼが全て込められてるこの究極の選択。ルートをまたいで伏線が結実してくる辺り、普通にスゲーとしかいいようがない。奈須きのこ脚本スゲー。

 そして、ここからはこの桜を殺すか、皆を殺すかという究極の選択について、士郎が選択をくだすための材料二つ。

●アーチャー

 相変わらず理想問答を問いかけてきます。セイバールートでも「それでも理想を追えるなら……」と、現在では現実に埋没しながらも、それでも理想の尊さを欲してたフシがあり、凛ルートでやっぱり俺が追っていた理想は間違ってなかった!と落ち着いたアーチャーからは、理想を追わなければ、必ずその分のディスアドバンテージが士郎に降りかかるという忠告が。やはり桜を殺してでも理想の全員救済を掲げ続けるべきなのかと、士郎、自問。

●イリヤ

 いつもの公園でイリヤに遭遇。桜問題で頭がいっぱいだった士郎はイリヤを邪険にして、思わず振りほどいてしまいますが、その件を謝る士郎に対して、イリヤが返した言葉がこちら。

 「怒らないよ。だってシロウ泣きそうだよ。何があったかは知らないけど、わたしまできらっちゃったらかわいそうだもん。だから、わたし、シロウが何したってシロウの味方をしてあげるの」(イリヤスフィール)

 桜の境遇をエンパサイズさせるこの言葉に打ちのめされる士郎。とどめは、

 「そうよ。好きな子のことを守るのは当たり前でしょ?」(イリヤスフィール)

 ここで、ガツンときた所で、いよいよ究極の選択肢、理想のために皆を守って桜を殺すか?好きな子を守りたいというエゴを通して理想を棄却して皆を殺して桜を守るか?という問いかけがプレイヤーに迫られます。

 とりあえず、「それでも桜を守りたい」を選択。いい、桜のために、俺は悪にでもなる!

 そうして、意識を取り戻して言峰教会から逃げ出した桜を探して町へ。ようやく見つけ出した所で、ひたすら自分を自罰する語りを語って涙する桜。桜もどこまでも他人>自分だから、だからこそ他人のために自分を殺しきれない自分が嫌い。そうやって桜が自分の価値を極限まで下げきった所で、いつもイイ所でかかる挿入曲、Sorrowが流れはじめ、士郎が、

 「俺が守る。どんな事になっても、桜自身が桜を殺そうとしても――俺が桜を守るよ」(衛宮士郎)

 で桜を抱きしめ。「自分」を下げきった桜に対して、桜が大事だ!という桜がもっとも欲していた言葉を士郎が補填します・゚・(ノД`)・゚・

 「約束する。俺は、桜だけの正義の味方になる」(衛宮士郎)

 あれほど、部分救済による全員救済の棄却に抗い続けて、理想をごり押しした凛ルートの士郎が、一転して大事な一人(部分)のためにエゴを通して全員救済という理想を棄却するという凄まじい展開に。どうなるんだ!という所で、夜の桜の吸血イベント(魔力補充のためらしいです)なんかを経て、長かった一日が終わることに。

 な、長かったけどすごいクライマックスだった。久々にあまりに続きが気になって、深夜に眠いの我慢してプレステの電源を入れてしまったよ。

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