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December 07, 2007

レアルタ・ヌア感想/プレイ日記35−桜ルートエンディング編−

 「士郎だって判ってるでしょ?ぜんぶを選ぶことはできない。助けられるのは一人だけなんだって」(イリヤスフィール)

 桜ルートのトゥルーエンドまで一気にプレイ。

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 伏線通り桜こそが真夜(アルヤル)だったことが明らかになり、桜がラスボス化するというクライマックス。桜に取り憑いていた、と言うか桜から生まれようとしている真夜というモノの正体は、復讐者(アヴェンジャー)のクラスに属するアンリマユ(この世全ての悪)なるサーヴァントだったことが判明。ここでゾロアスター教が出てくるとは思わなかった。

 ある小さな村で、一人に全ての悪行を押しつければ、相対的に他の皆は善人になれるという思想の元に、全ての悪を押しつけられて殺された存在がアンリマユ。自身が殺されることで他全員を救うという反英雄のあり方。序盤の言峰の演説がここに繋がります。というか、魔女として辛苦を全て引き受けてきたという凛ルートのキャスターのあり方とか、自分を殺してでも皆を救うというセイバールートの士郎やセイバーさんの追った理想のあり方とか、全てが関わってくる存在として、桜=アンリマユの存在の是非が最終章にかかってきます。

 結末としては、これまで自分を殺してでも皆を救うという理想を掲げてきた士郎が、桜と自分の幸福のために他者を犠牲にして生き残るという、セイバールート、凛ルートの帰結の転覆エンド。セイバールートでは理想の共有者だったセイバーさんを、理想を捨てた士郎は殺し(黒セイバーさんにトドメを刺さないと桜ルートはクリアできないようになってる)、桜のために(言峰の思想をとれば)まだ善悪が決まっていないアンリマユを殺し(結局士郎自身も小さい村の住人と同じく、自分の幸福のためにアンリマユを犠牲にした)、アンリマユの存在を擁護する言峰を打倒し、最後の最後、アンリマユを消滅させるには士郎かイリヤのどちらかが犠牲にならなければならないという所で、桜を守り続けるために士郎は自身の生存を望んでしまうというラスト。圧倒的。

 桜の内面は、自分の肯定と否定のせめぎ合いと、世界の肯定と否定のせめぎ合い、その危うさでずーっと桜ルートは進んでいくんだけど、ラスボス化した後はとにかく桜は世界の否定に走ります。で、世界の方の代表として姉さん(凛さま)が存在していて、ラスボス化した桜は世界の方を殺そうと凛さまに執着するんだけど、最後の最後で凛さまに抱きしめられて桜自身の存在を肯定されてしまう。世界の方から殺されたアンリマユと同化していた桜が、思わず世界(凛さま)の方からから肯定を受けてしまう。そこで桜が目を覚ましてラスボス化が解けるのが熱かった。そうして、自分を傷つけ続ける桜に対して士郎が他の全てを犠牲にしても歩み続けるファイナルクライマックス。アンリマユと同じく皆のために悪を背負わされたキャスターの契約破りの宝具を投影しての、桜とアンリマユの分離。世界のために世界から否定され続けた存在を、例え世界の方を否定してでも肯定してあげるという、複雑だけどそういうロジック。

 だけど、セイバールートの序盤にあった切嗣の「誰かを助けるということは他の誰かを助けないということなんだ」という言葉から続いているように、誰かを助けるなら、誰かが犠牲にならなくてはならない。それは桜を助けるためにもしかり。これまでの士郎は皆を助けるために自分が犠牲になっていて、事実桜ルートのノーマルエンドも士郎が犠牲になって桜だけが生き残るというラストなんだけど、トゥルーエンドは最後のその選択の所でイリヤが現れます。ローレライが聴こえてくる所は泣きそうになった。

 「士郎だって判ってるでしょ?ぜんぶを選ぶことはできない。助けられるのは一人だけなんだって」(イリヤスフィール)

 この台詞の伏線が最後の最後に開示。薄れ行く意識の中で、自分が犠牲にならなければイリヤの方が犠牲になるということが分かっていても、士郎は桜を守るために、自身の生存を望んでしまう。あれだけ自己犠牲の全員救済に囚われていた士郎が、ついに自分の生存を望んでしまう。

 「約束した。全ての事から桜を守ると。俺は勝手に消えていい命じゃない。桜を――桜と一緒に生きていたい」(衛宮士郎)

 これが長かった物語の帰結。士郎が自分の生存を望んだことを受け入れて、士郎を生かして代わりに消えていくイリヤ。実はイリヤの方がお姉ちゃんだったという反則の種明かしの中、生かされる士郎。色んなモノを犠牲にしてでも、自身と一人の大切な人のために生き残るという、セイバールート、凛ルートからは逆転した衛宮士郎という主人公の帰結。物語の帰結。超傑作。

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 5月の発売から随分時間がかかりましたが、35回目のプレイ日記にてようやくクリア致しました(もう12月!)。あとは、おまけエピソード的だった「Last episode」の感想を書いたあと、まったりタイガー道場のスタンプ集めに興じます。そして早いうちに引き続き「Fate/Zero」と「Fate/hollow ataraxia」を購入して、今度はそちらの方の感想をこのブログで書いていこうと思います。オーソリティー的なFateブログにするのが目標。引き続きご愛顧頂けたら幸いです。

Fate/stay night Visual Story

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