aamall

December 08, 2007

レアルタ・ヌア感想/プレイ日記36−Last Episode(ラストエピソード)−

 私がここで、貴方の強さ知っている。

 Fate/stay night[Realta Nua]オリジナルのファイナルシナリオ、「Last Episode(ラストエピソード)」を読了したので感想。

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 セイバールートアフターでした!

 桜ルートでセイバールートの帰結はある意味思想的に裏返されているのに、あえて最後の最後にセイバールートを持ってきたというのは、やっぱりFate/stay nightという作品の正ヒロインはセイバーさんなんだという制作陣の気概の現れでしょうか。

 内容は、セイバールートをざっとダイジェストで振り返った後に、時空を超えてセイバーさんと士郎が再会する瞬間までを切り取ったというモノ。サントラを聴いてた時点ですごい気に入っていたメロディーが美しい「夢の終わり」というゲール語の歌詞の歌があったんですが、最後の最後にここで流れました。

 士郎によってもたらされた、セイバーさんが最後に獲得した少女アルトリアとしての笑顔は、従者ベディヴィエールだけが看取っていた……というのが切なさが残留するセイバールートのエンディングだったわけですが、「Last Episode(ラストエピソード)」は描き下ろしの絵でセイバーさんのアルトリアとしての笑顔が士郎(明示されてないけど、それしかない)に届けられるまでが描かれます。

 自己犠牲の全員救済という理想のあり方を、セイバーさんと士郎とで認め合ってお別れするというのが大まかなラインだったセイバールート。そこには結局「自分」、「個」、「我」としての幸福(セイバーさんなら少女アルトリアとして士郎とつれそいたいといった類のもの)は描かれなかったわけなんですが、Last Episodeは、それでも、理想の果てに「自分」としての幸福にも辿り着けるかもしれない……とでもいった感じの落としどころ。夢のような、時間もあやふやな世界が演出されてるので、本当に士郎とセイバーさんは再会できたのかどうかもボンヤリとしてるんだけど、とりあえず、そういう救いもあり得るのかもしれないというのを表現するのが重要だった。

 個人的には、桜ルートの帰結よりも、こっちの方が好き。理想を捨てて大事な一人のために悪にでもなるというのもカッコいいけど、リアル人間の僕個人としては、自分を削っても他人の救済を取りに行きがちな方を志向してると思うので。

 だから、全クリアしてみたけど、一番感情移入して読めたのはセイバールート。だけど個人的にも自分の幸せも諦めたわけではないので、理想を追った果てにも自分の幸福に辿り着ける、そんな結末もあり得るかもしれないという風に結んでくれたのは良かった。

 セイバールート。またプレイしよう。

フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] (通常版)

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