October 05, 2010
劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS/感想
映像としてひたすらカッコ良かったです。バトル全面推し。
初めてFateに触れる人にこれを勧めるかと言ったら、原作の方を勧める訳ですが(笑)(←ダイジェスト的に進むので、たぶん初見の人はストーリーとかほとんど分からないと思う。切嗣とか、あのオッサン誰だよ、セイバーさんがアーチャーの話に感じる所があるのは何でなの、的な)、既にストーリーを知ってる人が映像美&ダイジェストストーリーでもう一度Fateの世界を体験的な感じでは良かったのではないかと思います。「凛様を可愛くカッコよく描く」という点には異常な執念を感じましたし。
◇◇◇
●UNLIMITED BLADE WORKS
衛宮士郎VSアーチャーの、「自分の理想と戦う」。
でも理想を追った先には、報われない最後が待っている。
ただ、凛様が側にいればその未来は回避可能かもしれない。
この3本柱はとても好き。
自分の本質(理想を追うこと)が報われないっていうのは、本質が殺人である「空の境界」の式とか、本質が悪であるFateの言峰綺麗であるとかで、ずっと描かれている奈須作品の主題とも言えそう。だから、本質が悪でも生まれてくる存在(アンリマユ)は否定されるべきではないという言峰と、セイバールートとアーチャールートで掲げ続けた全ての存在を助けるという理想を捨てて、桜のために他の存在を殺そうとする士郎との最終戦が、絶望的に盛り上がる。
またその主題が「UNLIMITED BLADE WORKS」の真偽問題にかかってくる。「偽」の存在はダメなのか? という話。
最後はギルガメッシュの本物の宝具と、士郎が投影する贋作の宝具との決戦になる訳ですが、これがメタに、ギルガメッシュ叙事詩のような、あらゆる物語の原典になっている本物と、もしかしたらそういうのから生まれたパロティにしか過ぎないかもしれない、Fateを始めとする日本で消費されているような物語との決戦にもなってるのはたぶん明らか。Fate自体が古典物語を本歌取りながら、そこから「召還される英霊」っていうのがコアネタな訳ですが、そんなヤツらに贋作的、パロディ的、日本の片隅で生み出された衛宮士郎は勝てるのか? というセルフツッコミ的な話。
そんなパロディ的贋作的消費的借り物的、日本で生まれてるような物語の存在に意味があるのか? というのを賭けて、衛宮士郎は「偽物が本物に必ず負けるとは限らない」と、最終戦で猛攻を見せる。
いくぞ英雄王、武器の貯蔵は十分か?
カッコイイ。
古典物語側は、貯蔵は十分。それは本物で、あらゆるパロディの元になっているものかもしれない。けれどこっちは、「まだ新しく生み出す可能性」を持っている。借り物の理想(物語)を貫いた先には待ってるのは荒野だけかもしれないけれど、それでも貫いてみる。
「UNLIMITED BLADE WORKS」はクリエイター向けの作品だよなーとは常々思っていたのでした。
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